「ねえ、春休みの福岡旅行なんだけど、レンタカー代見積もったら10万円超えてるんだけど…」
夕食後、リビングでパソコンを開いていた妻が、ため息混じりに言いました。
「え、10万!?レンタカーだけで?1週間だからって、そんなにするの?」
「大手のレンタカー会社で、ミニバン借りたらこれくらいになるみたい。でも、家族4人で1週間だし、荷物のこと考えたらミニバンは欲しいのよね」
「うーん、でも10万はキツイな。宿泊費と食事代だけでも結構かかるし…春休みって、どこも高いんだよな」
こんな会話、春休みの家族旅行を計画している家庭なら、きっと覚えがあるはずです。
「あのさ、格安レンタカーっていうのもあるみたいだよ?」
翌日、仕事から帰ってきた夫が、スマホの画面を見せてきました。
「格安?大丈夫なの?変な車だったら嫌だけど」
「いや、調べたら結構ちゃんとしてるみたいだよ。大手の中古車を使ってるから安いんだって。同じミニバンでも、半額くらいで借りられるらしい」
「半額!?それって5万円くらいってこと?」
「そう。というか、会社によっては4万円台もあった。浮いた5万円、どう使う?」
この会話、我が家でも実際にありました。最初は格安レンタカーなんて選択肢にも入れていなかったんです。でも、1週間という長期レンタルだからこそ、料金差が大きくなる。そこに気づいたのが、計画の転機でした。
「でもさ、なんでそんなに安くできるの?何か裏があるんじゃない?」
妻の疑問は、もっともです。同じような車を半額で貸せるなら、大手はぼったくりなのか、それとも格安は何か削っているのか。
実は、格安レンタカーの仕組みはシンプルです。大手レンタカー会社が新しい車に入れ替える時、まだ十分使える中古車を格安レンタカー会社が買い取る。あるいは、リース車両の使用期限が切れたものを活用する。つまり、車の仕入れコストが違うんです。
「3年落ち、5年落ちの車だから安いってこと?」
「そういうこと。でも、定期的にメンテナンスはされてるし、車検も通ってる。走行距離が多少あっても、普通に使う分には全然問題ないレベル」
「新車じゃなくても、子どもたちは気にしないだろうしね。むしろ、少しくらい汚しても気が楽かも」
そうなんです。真新しい高級車をレンタルしても、子どもが飲み物こぼしたりお菓子のカスを落としたり、親としてはハラハラしっぱなし。多少使用感のある車の方が、気楽に使えるという側面もあります。
「よし、じゃあ格安レンタカーで決まりだね。さっそく予約しちゃおうか」
「ちょっと待って。春休みって、レンタカーすごく混むらしいよ。格安は台数限られてるから、早めに押さえないと」
「えっ、いつまでに予約すればいいの?出発の1週間前とか?」
「いや、もう今すぐレベル。2ヶ月前が理想って書いてあった。人気の車種は1ヶ月前には埋まっちゃうって」
私たちがこの会話をしたのは、実は2月の初め。春休みまでまだ1ヶ月半以上ありましたが、福岡空港周辺の格安レンタカー会社のサイトを見ると、すでに「残りわずか」の表示が出ている車種もありました。
「マジか…もう埋まりかけてるじゃん」
「ほら、だから早く決めないと。あと、インターネット予約だと10%オフとか、早割で安くなるクーポンとかもあるみたい」
「じゃあ今夜中に予約しよう。4万円がさらに安くなるなら、御の字だよ」
「でもさ、格安レンタカーって空港から遠いんでしょ?荷物多いのに、どうやって行くの?」
これ、私も最初に気になったポイントでした。大手なら空港の中にカウンターがあって、すぐに手続きできる。でも格安は店舗が離れてるって聞いて、子ども2人と大荷物を抱えて移動するのは大変そうだなと。
「送迎があるよ。空港に着いたら電話すれば、10分くらいで迎えに来てくれるって」
「え、無料で?」
「そう、無料。むしろ、空港の混雑した場所でバタバタするより、落ち着いた店舗でゆっくり説明聞けた方が良いかもって」
実際、福岡空港の到着ロビーは、特に春休み時期は家族連れでごった返します。レンタカーのカウンターも行列ができることが多い。送迎車で静かな店舗に移動して、ゆっくり車の説明を受けられるなら、それも悪くないなと思いました。
「子どもたち、飛行機降りたら疲れてるだろうしね。送迎車の中でちょっと休憩できるかも」
「そうだね。じゃあ、空港から離れてるのはデメリットじゃないってことか」
「ミニバンで決まりだよね?」
「うーん、でもミニバンって運転しにくくない?俺、そんなに大きい車運転したことないし」
「大丈夫よ。最近のミニバンは運転しやすいって聞くし。それに1週間も乗れば慣れるでしょ」
車種選び、ここで夫婦の意見が分かれました。私は荷物のことを考えてミニバン推し。夫は運転のしやすさを重視してミドルサイズSUV派。
「あのさ、子どもたち2人とも成長期だから、後部座席窮屈だとキツくない?特に1週間だよ?」
「それはそうだけど…」
「それに、春休みって気温が不安定じゃん。暖かいと思って薄着で行ったら寒かったり、逆に暑かったり。上着とか余分に持って行くことになるし、お土産も買うでしょ?」
「確かに、帰りは荷物増えるよな…」
最終的に、私たちはミニバンを選びました。決め手は、後部座席のゆとりと、荷物の収納力。あと、格安レンタカーのサイトで見た車種の中に、比較的新しい年式のミニバンがあったのも大きかったです。
「カーナビついてるよね?」
「もちろん。むしろ、最近の車はBluetoothで音楽流せたり、USBで充電できたりするらしい」
「え、じゃあ子どもたちのスマホ充電できるってこと?助かる!」
長距離ドライブで地味に困るのが、スマホやタブレットの充電問題。子どもたちが動画見たりゲームしたりしてると、あっという間にバッテリーがなくなります。
「いや、でも糸島から門司港まで2時間くらいかかるよ?子どもたち、退屈して『まだ着かないの〜?』ってうるさくならない?」
「…それは確かに。でも、モニターついてる車、すでに埋まってるかもよ?」
結局、私たちが借りられたのはモニターなしの車でしたが、BluetoothとUSB充電があれば十分でした。子どもたちは自分のスマホで好きな音楽かけて、車内カラオケ状態。むしろ、家族で盛り上がれて良かったです。
「レンタカー代が4万円として、保険とかガソリン代とか、全部でいくらになるかな?」
夜、二人で旅行の予算を詰めていた時の会話です。
「保険は、免責補償っていうのをつけた方が良いって。1日1,000円で、7日間だから7,000円」
「高っ!でも必要?」
「絶対必要。だって、もし擦ったりしたら、修理代何万円もかかるかもしれないんだよ?7,000円でそのリスクが消えるなら安いもの」
これ、夫は最初渋ってたんですよ。「そんな簡単に事故なんかしないよ」って。でも、私が「子どもたちが車内で暴れて、あなたが気を取られて、ちょっとぶつけたらどうするの?」と言ったら、すぐに納得しました。
「レンタカー代4万円、保険7千円、ガソリン代が7千円くらいとして、合計5万4千円か」
「あと、駐車場代。博多のホテル、駐車場代別料金だったよね?」
「あー、そうだった。1泊1,500円で、7泊だから10,500円」
「うわ、結構するね…」
「でも、それ全部入れても6万5千円くらいでしょ?大手で10万円超えてたんだから、まだ3万5千円浮いてるよ」
この3万5千円、私たちはこう使いました。
1日目の夜:博多の評判の良い鮨店で夕食。普段は回転寿司だけど、旅行だから奮発。家族4人で2万円。
3日目:マリンワールド海の中道の入場料。家族4人で約8,000円。
5日目:糸島の海沿いカフェで、ちょっと高めのランチ。家族4人で7,000円。
残り:お土産代に回して、明太子や銘菓を少し贅沢に購入。
「レンタカー代ケチったおかげで、旅行の内容は全然ケチらずに済んだね」
「ほんとだね。子どもたち、お寿司すごく喜んでたし」
これが、格安レンタカーを選んだ最大のメリットでした。移動手段にかけるお金を抑えた分、思い出作りにお金を使えた。
「1週間って、どんなスケジュールで回る?詰め込みすぎると疲れるし、余裕持ちたいよね」
出発の1週間前、最終的な行程を決めていた時の会話です。
「1日目は到着が午後だから、博多駅周辺をぶらぶらして、夜は屋台体験とか?」
「おお、いいね!子どもたち、屋台喜びそう」
「2日目は太宰府天満宮。上の子、受験控えてるし、お参りしておこう」
「3日目がマリンワールドで、4日目は糸島か」
「5日目は移動日にして、門司港方面へ。6日目は門司港散策と小倉で焼きうどん」
「最終日の7日目は?」
「予備日。何かあった時のために、余裕持たせとこう。何もなければ、博多でお土産買って、ゆっくり過ごす」
旅行から帰ってきた後、二人で振り返った時の会話です。
「レンタカーあって、ほんと良かったね」
「うん。特に糸島。あんな海沿いのカフェ、電車じゃ絶対行けなかったよ」
糸島は本当に良かった。桜の季節で、海と桜のコントラストが絶景。レンタカーで海沿いをドライブしながら、気になったカフェに立ち寄る。そんな自由な旅ができたのは、車があったから。
「子どもたちも、車の中で寝られるから楽だったみたい」
「そうそう。下の子、マリンワールドではしゃぎすぎて、帰りの車で爆睡してたもんね」
公共交通機関だと、疲れた子どもを抱えて電車やバスに乗るのは大変です。でも車なら、後部座席で寝かせておける。親としては、すごく楽でした。
「駐車場代、予想より高くついたかも」
「博多のホテルは予定通りだったけど、観光地の駐車場が意外とね」
太宰府天満宮の近くの駐車場が1回500円、マリンワールドが1日1,000円、門司港が800円…と、細々とした駐車場代が積み重なりました。
「でも、トータルで1万5千円くらいでしょ?想定内だよ」
「ガソリン代は?」
「6,000円くらいかな。福岡市内から糸島、門司港まで結構走ったけど、燃費良い車だったから助かった」
ガソリンスタンド、返却前に慌てて探すのは避けたかったので、最終日の朝、ホテル近くで満タンにしておきました。空港近くだと割高だし、混んでることもあるので、この判断は正解でした。
「でもさ、何か困ったことはなかった?」
「うーん、強いて言えば、カーナビがちょっと古かった?」
私たちが借りた車のカーナビ、データが2年前のもので、新しいお店の情報が入ってませんでした。でも、スマホのGoogleマップと併用すれば全く問題なし。
「あと、車体に小さな傷があったのは気になった?」
「最初ちょっとね。でも、貸し出し時にスタッフと一緒に確認して、傷の場所を記録してもらったから安心だった」
これ、重要なポイントです。格安レンタカーは中古車なので、小さな傷や凹みがあることも。でも、貸し出し時にしっかり確認して、既存の傷を記録してもらえば、返却時にトラブルになりません。
「子どもたちは、車が古いとか新しいとか、全然気にしてなかったね」
「そりゃそうだよ。乗り心地が悪いわけでもないし、エアコンもちゃんと効くし。むしろ、車の中でお菓子食べても『ちょっと!汚さないで!』ってヒステリックにならなくて良かったわ」
「桜、ちょうど見頃だったね」
「うん。舞鶴公園の桜、すごかった」
春休みの福岡旅行の醍醐味は、何と言っても桜。舞鶴公園、西公園、大濠公園…市内にも素晴らしいお花見スポットがたくさんあります。
「レンタカーあったから、穴場スポットも行けたし」
糸島の桜並木、地元の人しか知らないような場所でしたが、車でないとアクセスできない絶景ポイント。こういう発見があるのも、レンタカー旅行の楽しさです。
「子どもたちも、楽しかったって言ってたね」
「うん。特に上の子、『来年の受験頑張る』って太宰府天満宮で真剣にお参りしてたの、感動した」
「下の子は門司港で船見て大はしゃぎだったな」
家族それぞれが、自分の楽しみを見つけられた1週間。それができたのは、時間に余裕があったから。そして、自由に動けるレンタカーがあったから。
旅行から1週間後、友人夫婦と食事をした時の会話です。
「春休み、福岡行ってきたんだって?どうだった?」
「めちゃくちゃ良かったよ。レンタカーで1週間、家族でいろいろ回れて」
「レンタカー、高かったでしょ?」
「それが、格安レンタカー使ったから、予想の半額くらいで済んだんだ」
「え、格安レンタカー?大丈夫だった?」
「全然問題なかったよ。むしろ、浮いた予算で美味しいもの食べたり、いろんな体験できたし」
友人夫婦も今度の夏休みに家族旅行を考えているらしく、興味津々で聞いてきました。
「でも、車が古いとか、サービス悪いとか、そういうのなかった?」
「車は確かに中古だけど、メンテナンスされてるから普通に快適だったよ。サービスも、スタッフの人すごく丁寧だったし」
「そっかー。じゃあ、俺たちも検討してみようかな」
「早めに予約した方がいいよ。特に夏休みは争奪戦だから」
「今回の旅行、レンタカー選びから始まって、いろいろ勉強になったね」
帰宅後、旅行の写真を整理しながら、妻と話しました。
「最初は10万円のレンタカー代にびっくりして、どうしようかと思ったけど」
「福岡空港周辺の格安レンタカーを知って、視野が広がったよね」
「うん。お金をかけるべきところと、抑えられるところ。その判断が大事なんだなって」
レンタカーは、あくまで移動手段。大切なのは、その先にある体験や思い出。そこにお金を使うために、移動手段のコストは賢く抑える。
「子どもたち、また行きたいって言ってるよ」
「来年は沖縄とか、北海道とか?」
「またレンタカーだね」
「もちろん。格安レンタカーでね」
春休みの1週間、福岡での家族旅行。レンタカー選びで5万円節約できたことで、旅の質がグッと上がりました。
・評判の鮨店で家族の特別な夕食
・マリンワールドで海の生き物とふれあい体験
・糸島の海沿いカフェで、ゆったりとしたランチタイム
・明太子やお菓子を、妥協せずに選べるお土産代
格安レンタカーは、決して「安かろう悪かろう」ではありません。仕組みを理解して、賢く使えば、家族旅行の強い味方になってくれます。
・春休みの予約は2ヶ月前から動く
・保険はケチらない(特に免責補償)
・車種は家族構成と荷物量で決める
・駐車場代とガソリン代も予算に入れる
・浮いた予算は、思い出作りに使う
「ねえ、来年の春休みはどこ行く?」
旅行から1ヶ月経った今も、子どもたちはまだ福岡の話をしています。博多のラーメン、糸島の海、太宰府天満宮、門司港の景色…。
レンタカーで自由に動けたからこそ、たくさんの思い出を作れました。そして、その自由を手に入れるために、私たちが支払ったコストは、決して高くなかった。
家族旅行は、計画段階から始まっています。どこに行くか、何を食べるか、どこに泊まるか。そして、どうやって移動するか。
その一つ一つの選択が、旅の質を決めます。賢い選択をすれば、限られた予算でも、最高の思い出を作れる。私たちの福岡旅行が、それを証明してくれました。
あなたの家族にとっても、この春休みが、かけがえのない時間になりますように。格安レンタカーという選択肢が、その一助になれば幸いです。